あなたは心から「自分の子育てに自信を持っている!」と言えますか?
「子育ての見本」といえば、自分が育った家庭であることが多いですよね。
でも、親である自分が、大きくなってから自分の在り方に悩んだりしていると、自分が受けてきた子育てが本当によかったのか、同じ子育てを自分の子供にしてもいいのか、自信が持てないという方もいらっしゃるかもしれません。
時代が変われば「価値のあるもの」が変わるので、人々の生き方も変わる。
当然、未来の人材を育てる教育も子育ても、過去のやり方ではうまくいきません。
そして、子育てで絶対無視できないのが、親子関係。
親子関係の築き方が、子育てを大きく左右します。
今回は「親子関係がツライのは子育てが古いから!「新時代のシアワセ子育て」徹底解説!」というテーマでお伝えします。
「今の子育てがどうもうまくいっていない」「世間で言われる一般論が、自分にしっくりこない」「親子ともに幸せを感じられない」と思った方は、ぜひ最後まで読んで参考にしていただけたらうれしいです!
(筆者のプロフィールなどについては、こちらをご覧ください)
◆ 今の子供たちが置かれている「アタリマエ」の環境とは?
今の子供たちが置かれている「アタリマエ」、あなたは具体的に知っていますか?
例えば、10年前には考えられなかった小学校でのプログラミング教育の導入で、子供たちに「論理的思考力」をつけることが流行っている。学校ではアクティブラーニングの導入に力を入れ、人前で発表するときなど、相手にわかりやすく自分の言いたいことを伝えるために「話す力」「表現力」が求められている。
でも何かといえば「ヤバイ」「スゴイ」「ウザイ」で片付けられていた表現のせいで、語彙力が乏しく、子供自身の感情表現が明らかにヘタになってきています。
また、これまで「鉄板」とされてきたことは一切通じない。コロナ禍や世界情勢によって、これまでの「アタリマエ」が覆され、誰も想像できなかった世の中に。
「これさえやれば大丈夫!」という絶対的な存在はなくなり、「いい大学に行って、一流企業に就職、定年まで勤め上げること」に一番の価値を置いている人は、随分と減ったのではないでしょうか。
同時に、子供自身の様子も変わっています。
2022年12月には、文科省が「通常の学級に在籍する小中学生の8.8%に、学習や行動に困難のある発達障害の可能性がある」という調査結果を出しました。
また、文科省公式の調査では「不登校の小中学生は、約24万5000人」という数字が出ていますが、非公式の調査では「登校しぶり」と言われる不登校傾向にある子どもは、少なく見積もっても、不登校生徒の5-6倍いると言われています。
最近は、生まれつき高い知能を持つギフテッドの子供、5人に1人は存在するHSC(=Highly Sensitive Child「非常に敏感な子供」)などもいます。
これだけ子供たちも多様化していると、画一化を求めてきたこれまでの学校教育も、変わらざるを得ません。
でも、学校教育は学習指導要領に基づいて行わなければならないので、その変更を待っていると、教育の改革に10年かかると感じています。
そうして、新しい教育が実施される頃には、もう次の教育が必要な状況が生まれていて、子供たちの公教育は、いつも時代の後ろから追いかける形になっているのでは、と感じてしまいます。
また「プレゼンテーション、スピーチ」という言葉が最近よく目につきますが、「自分が言いたいことが、どこかで遠慮して言えない」「自分の言いたいことがあるのに、どう言えばいいのかわからない」、そんな課題を抱えているのは、子供だけではありません。
大人だって同じ。
子供の時に解決できなかった問題は、やっぱり大きくなってからも自然に解決するわけがなく、大きくなればなるほど、コンプレックスとして根強く残ってしまう。
だから、世の中はコミュニケーションスキルに関する本や教材で溢れ、それを求める人が多いのだと思っています。
そんな状態なので、課題を抱えているのは、親子両方とも同じ。
親にしてみれば、子育ての「正解・不正解がない時代」に突入、先が見えない時代だから「何が良くて、何が悪い」のかわからず、子育てや教育の基準として頼れるようなものがない。
かといって、情報を集めようとすれば、自分の育った時代とまるで違うことに戸惑い。
それもそのはず、目に入ってくる情報量は、10年前と比べて、なんと530倍!
いい情報もニセの情報も雑多で、信憑性のあるものが闇に隠れてしまうため、親がいかに情報を精査する能力を持っているかで、子供の育つ環境が大きく変わることは明らかです。
確かな情報を求めるために、子育てセミナーや育児本を読めば、「理想の子育て像」がわかります。
でもそれを基準にしてしまうと「できていない自分」が顕著になって、自分自身を追い詰める親が増え、「私はダメだ…」と自己肯定感が下がり、自分を「ダメな親」とレッテルを貼ってしまう。
さらに悪いことに、それが子供に影響すると、子供自身も自分をダメな存在と思うようになって、「自分を肯定してくれる親」という逃げ場もなくなり、親子共に大きな暗闇に落ちてしまう状況に。
では、こんな今の状況で、親が一番意識すべき子育てとは、一体何なのでしょうか?
◆「新時代のシアワセ子育て」で意識するたった1つのこと
思い返すと、親である私たちが子供の頃、かつて学校などでは「思いやりのある子」とか「挨拶ができる子」とか、常識や生活習慣などに視点があったことが、もっと多かったかなと思います。
もちろん、今の時代もそれは変わらないと思うのですが、私自身が感じることは「今の子供たちは、世間から求められていることが多い、むしろ多すぎる」ということ。
「〇〇ができる子」「〇〇がある子」「〇〇の力を持っている子」。
だから「子供を育てる親」に求められることも、私たちが育った時代より多い気がします。
実際、今子育てで求められていることに対して、子育てセミナーに参加したり、育児書を読んでいると、私自身も「確かにそうだ」と思うことが多く、勉強になるな、親として心がけないといけないな、と思っていました。
でも、「私自身も、親としてまだまだだなぁ…」と思っていたある日、親として求められていることが、あまりにも多すぎやしないか、と感じたのです。
もしかすると、自分が「親になる前に学校教育に携わっていた経験」からの違和感だったのかもしれません。
「これらの子育て法はどれも素晴らしい、でもこれがすべてできるのは、人間ではない。ロボットだけだ」と。
子供はロボットではない!だから、子供を育てるのは「ロボットを目指す私」ではなく「人間である私」にしよう、と決めたのです。
ちょっとくらい抜けている親に育てられる方が、育てられる子供にも余白ができて、逃げ場ができる。
これは、何も子育てに限ったことではありません。
大人だって、非の打ちどころのない上司や教育係より、信頼できるけれど時々「ちょっとヤラカシた談」がある上司の方が、親しみを持てたり、この人についていこう、と思えたりしませんか?
そう気づいてから、私の育児書の読み方が変わりました。
確かに大切である、でも知識としてインプットするだけで、子供に対してすべての内容をアウトプットしない。
じゃあ、一番大切なことは何かというと、原理原則で当たり前すぎて、今さら育児書に書かれることはないのではないか。
「新時代の子育てで、最も大切で、意識すべきことは何か?」
答えは一つしかありません。
「目の前の子供をしっかり見る」。これだけです。
世間の情報やウワサに惑わされたり、「〇〇さんがやっているから」という理由で、すがりつく想いで何かにただ執着することは、もう親として危険だといわれる世の中になってきたのです。
これだけ子供が多様化してきているのに、いいと言われる子育て方法が、たった一つなワケがない。
「どの子にも必ず役立つ!教育法」なんか、あるわけがない。
「だからこそ」の子育ての難しさですが、親がしっかり子供を見据え、自分の軸を持つことが、今の時代の子育てで最も求められていることだと言えます。
「これを言えばOK!」「これさえやれば大丈夫!」
もはや、そんなものは存在しません。
私立中高女子校で子供たちと向き合っていた時、子供たちが最も望み、子供たちにもっと必要だと感じていたことが、まさにこの「もっと私のことを、親にちゃんと見ててほしい」ということでした。
学校で「正解・不正解」が求められる環境でどっぷり育った私たち、今も根強く「正解・不正解」のある入試で進学先が決まるシステムは残っています。
でも、子供の気持ちがわからないと感じる時、親が子供との関係で何かうまくいかなくなった時、正解は外にはありません。
「答えを持っているのは、目の前の子供」です。
100人の親全員が目指す「ゴールとなる1つの子育て」があるのではなく、100人の親全員が「親子ごとに一番しっくりくるカタチ」を探し、親子ごとに存在する「我が家流子育て」を目指すのが、新時代の子育てで親が一番意識すべきことです。
では、一般的な答えが存在しない「我が家流子育て」を見つけるためには、具体的に何をしたらいいのでしょう?
◆ 親子関係から考える「新時代のシアワセ子育て」で必要なスキルとは?
それでは、ここから「親子関係から考える「新時代のシアワセ子育て」で必要なスキルとは?」についてお伝えします。
「目の前の子供」を正しく理解するためには、相手の気持ちや考えを引き出すことができるような、適切なコミュニケーションスキルが必要となりますが、このコミュニケーションスキルは、大人同士でも子供同士でも、親子でも、人間同士であれば誰であっても同じだと言えます。
では、一体どんなスキルを身につければいいのでしょうか?
あなたは、今企業で最も注目され、あなたもご存知の楽天グループやYahoo、メルカリなど、日本国内でなんと4割以上の優良企業で採用されているコミュニケーションスキルを知っていますか?
それは「1on1ミーティング」という名前で、会社組織の中で上司が部下を評価するミーティングではなく、上司が部下の悩みを聞いて相談に乗ったり、部下の自主性を引き出し、より自立した人間へと促し育てることを目的としたコミュニケーションスキルのことを言います。
「日本国内で4割以上採用されていると」いうことは、それだけ成果が出ているということ。
例えば、部下の隠れた能力ややる気を引き出す、自己開示をしてくれる人が増え、チームでビジョンを共有することができる、コミュニケーション不足が解消され、業務における混乱やトラブルが減少する、などです。
私は、「企業内」と「親子間」の2つに「あること」が共通していると気づきました。
それは何かというと「上司と部下」「親と子」、どちらもパワーバランスが生まれやすい関係であるということ。
そこで、この「上司と部下」を「親と子」に置き換えたのち、子育て特有の視点を加えて「親子1on1」というメソッドを作りました。
家庭内でこの親子1on1を行うことによって、より自立した子供を育て、子供の学校や友達との悩みや、子供が本当にやりたいことを引き出すことができます。
なぜそう言えるかというと、親子1on1メソッドの基盤である「何を話しても大丈夫!」という心理的に安全な場所を子供に作ってあげることで、子供が自己開示するようになって、子供の本音を聞くことができ、子供が自分の意見を否定されないとわかると、自発的に「これをこうしたい!」というようになるからです。
各家庭で、親御さんが子供に対して「親子1on1を積み重ねる」ことで、
子供と意思疎通ができずに「あの子は何を考えているのかわからない!」と子育てでイライラしたり「子供をまた怒ってしまった自分」に悩んでいた現実から、
子供の本心に気づき、やりたいことに気づき、親として子供に何ができるのかがわかることによって、子供は自分からやりたいことに向けて動き出し、親子共に自信をつけ、自己肯定感を育てることができるようになります。
何より、親子の信頼関係や結びつきが強くなり「子供がいつか巣立っても信頼関係が切れない親子」になれると確信しています。
この親子1on1には、目指す姿はあっても「正解」はありません。
「我が子への最適な子育ては、その親子が一番知っている」。
100組の親子がいたら、100通りの答えがあるから「我が家流子育て」ができるのです。
家庭で親子1on1を実施するには、いくつかポイントがあります。
実は、このポイントを押さえないと、せっかく親子1on1を実施しても、意味がないどころか、逆効果になってしまうのです…
次回以降、実践例を交えてお伝えしていきますので、ぜひ参考にしていただけましたら幸いです。
◆ まとめ
それでは、ここまでの内容をまとめてみましょう。
「親子関係がツライ」「自分の子育てに自信がない」と思った時のポイントは、こちら。
親子関係がツライのは子育てが古いから!新時代のシアワセ子育て徹底解説!
◆ 今の子供たちが置かれている「アタリマエ」の環境とは?
・「これさえやれば大丈夫!」という絶対的な存在はなくなった
・ 不登校・発達障害・ギフテッド・HSCなど子供自身も多様化している
・「正解・不正解のない時代」は親の情報を精査する能力が子供の育つ環境を大きく変える
◆「新時代のシアワセ子育て」で意識するたった1つのこと
・親がしっかり子供を見据え、自分の軸を持つ
・親子関係の答えを持っているのは、目の前の子供
・「我が家流子育て」を目指す
◆ 親子関係から考える「新時代のシアワセ子育て」で必要なスキルとは?
・相手の気持ちや考えを引き出す
・「何を話しても大丈夫!」という心理的に安全な場所を子供に作ってあげる
・企業内で実施されている1on1ミーティングを親子間に生かした「親子1on1」が有効
いかがでしたか?
今の子供たちの置かれている状況から、親に求められていること、そして、現代にマッチした子育てについてお話ししてきました。
今の親子関係がツライと思っても、それは親であるあなたのせいではありません。やり方を変えてみるだけで、意外に簡単に解決するかもしれません。ぜひメルマガを登録して、次回以降の記事も見逃さないでくださいね!
他にも「子育てで自信がなくなった…」と思ったら、もう少し軽めの(笑)エッセイとして、こちらの記事もぜひご覧ください。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
「今の子育てがツライけれど、どうしたらいいのかわからない…」「ちょっと話を聞いてほしい」というママやパパは、ぜひ「親子間コミュ力UP!相談会」にご参加ください。
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親子の関係が家族関係全体を良くして、やがては「言いたいことが言えない」ことがなくなり、世の中の人間関係すべてを変えると信じて活動しています。
少しでもお役に立てましたら幸いです。