あなたは
「海外に住む自分の子供を、ぜひバイリンガルにしたい!」
という夢をお持ちですよね?
「バイリンガルってかっこいい!
いろいろな国の言葉を自由自在に操れるなんて、すごいなー、いいなー!」
と、私もかつてバイリンガルに憧れた一人です。
そんな私が、
「自分の子供が、正しいバイリンガルになるために、親がするべきこと」
を、わかりやすく伝えます。
(筆者のプロフィールについては、こちらをご覧ください)
1. 子供をバイリンガルにしたい親が必ずすべきこと
子供へのバイリンガル教育は、子供の誕生とともに始まります。
自分の子供を、日本語を含めたバイリンガルにしたいと思っている方は、
子供が生まれてから、習慣的にお子さんに日本語で話しかけていると思います。
これはまず大前提ですね。
まだ言葉を発することができない赤ちゃんでも、
ちゃんとママやパパの言葉を聞いています。
大人もそうですが、インプットしないとアウトプットできませんから、
言葉を話し始める数ヶ月先までに、
どれだけ言葉がインプットされていたか、によって、
言葉を話し始めてからのアウトプットの量も変わってくるのではないかと思います。
その話しかけをするときに、現地語に精通しているママやパパは、
ついつい現地語の単語を混ぜながら話してしまうこともあると思いますが、
日本語で話す時に意識することは、
「その文章、日本国内で通じる日本語ですか?」
ということです。
あなたは、いかがでしょうか?
2. 親が意外とできていないこと
日本語が家庭の外では使われていない場合、
子供にとっての日本語の「見本」は親です。
また、子供自身は、どの単語が日本語で、どの単語が現地語か、なかなか認識できません。
ですから、子供が大きくなっていってからも、
「親が話す日本語」は、習慣的に意識すべきことです。
私の運営する教室でも、
保護者の方によくアドバイスさせていただくことが多い点ですが、
実際、保護者の方から
「先生に指摘されて意識してみたら、自分の話す文章の中に、
気づかないうちに現地語が思っていた以上に混ざっていました!」
と教えていただくこともよくあります。
例えば、
「ゴミはプベル(仏語:ゴミ箱)に捨てようね」
とか
「お手てをデザンフェクテ(仏語:除菌)してね」
(← これは、私が最近子供たちに使ってしまうフレーズです(笑))
とか
外国語の単語を、日本語の文章の中に混ぜないように意識することをオススメします。
子供の言語が最も大きく発達するのは、
幼児期から小学校1、2年生の就学初期にかけて、と言われています。
特に5歳の子供は、一日に5〜7語も習得すると言われ、
だいたい5,000-10,000語も彼らの頭の中に入っているようです。
子供たちが自分で日本語で表現するようになった時に
「伝わらない!」と感じない話し方を親が伝えるために、
知っておくべき「基本のポイント」を、次にお話しします。
3. 子供が海外で育てば、自動的にバイリンガルになる?
まず、親が「絶対に覚えておかなければならないこと」があります。
よく、子供が海外で育てば、
自動的に【二言語ペラペラのバイリンガル】になる
と思っている方もいるのですが、本当にそうでしょうか?
残念ながら、現実はそう簡単にはいかない、というのが多くの保護者から聞く本音です。
バイリンガルになる子供はもちろんですが、
絶対に欠かせないのが「親の努力」です。
でも、間違った努力をすると、
二言語が使えるバイリンガルにならないどころか、
一つの言語もまともに使えなくなる子供ができあがってしまいます。
4. バイリンガルなら、みんな複数言語使いこなせる?
まず、一口に「バイリンガル」と言っても、
色々な種類のバイリンガルがいることをご存知ですか。
今回は、大きく4つに分けてご紹介します。
この4つのうち、みなさんが想像する「バイリンガル」にあてはまるものは、
「1 二言語とも年齢層のレベルに達している」
ではないでしょうか。
しかし、実際は二言語習得を狙った結果、「4」のような、
どちらの言語もレベルに達しないバイリンガルのケースもあるのです。
それでは、そもそもバイリンガルはどのように複数の言語を認識しているのでしょうか。
よく使われるのが、カミンズ博士が定義した「二言語共有説」ですが、
この図を分解して、わかりやすく解説します。
5. バイリンガルは、どのようにして複数の言語を認識している?
下の図を見てください。
たとえば、バイリンガルが話せる言語に、「ことば1」と「ことば2」があるとします。
他者の目から見ると、
「このバイリンガルは、「ことば1」と「ことば2」が話せるんだ」と認識し、
独立した2つの言語として見えています。
では、実際、バイリンガルの中で「ことば1」と「ことば2」には、
どのようなつながりがあるのかというと…
「ことば1」と「ことば2」は、このように、見えない部分では繋がっていて、
本人の中では共通項として存在している部分も多い、という考え方がされています。
他者から見える部分は、氷山の一角ともいえますね。
(「氷山説」とも言われる理由はそこにあります)
たとえば、
マンガの絵を描くことが得意な子供は、
道具や書き方が違ったとしても、水彩画を描くことも上手だし、
鉛筆できれいな字を書く子供は、
お習字でも上手に書ける、
ということと似ています。
つまり、一つの言語ができると他の言語もどんどん習得していく人がいるのは、
本人の中でしっかりとした基盤や認識ができあがっていて、
その部分を軸に「それぞれの言語の習得」へとつなげているから、なんですね!
今でこそ減ってきましたが、現地語を発達させるために、
家庭での日本語を禁じて「言語一本化」という学習方法がありました。
この理論からいくと、その考え方がどうして間違っているか、説明できますね。
まとめ
それでは、これまでご紹介したことを、3つにまとめてみましょう。
- 子供へのバイリンガル教育のカギは、子供の誕生とともに始まり
「赤ちゃんが言葉を発するまでに、どれだけ言葉がインプットされていたか」
- 日本語で話しかける時に大切なポイントは
「その文章、日本国内で通じる日本語ですか?」
- 複数の言語をどんどん習得していくことができるのは、
本人の中でしっかりとした基盤や認識ができあがっていて、
その部分を軸に「それぞれの言語の習得」へとつなげているから
日本語のベースが家庭にあるからこそ、「大切にすべきこと」を意識したいですね。
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