バイリンガルの子供の4ヶ国語プレゼン動画から検証!海外在住ではこうなる!

あなたは、海外に住む子供バイリンガルが何ヶ国語も使い分けて話す姿を見て、一体アタマの中がどうなっているのか、気になりませんか?

私も海外に住み始める前から、バイリンガルなど複数言語を操る人を、ただ「すごい!」と思ってきましたが、どういう感覚なのか、イマイチ理解することができていませんでした。

そこで今回は、私にとって一番身近なバイリンガル、いや、4ヶ国語を日常的に使うマルチリンガルの子供を例に、その様子をお伝えします。

ちなみに、この動画に登場する子供は、全然特別なケースではありません。
【こんな子が、どこにでもいて、ごくフツー】のところが、ルクセンブルクのちょっと変わったところかも。

(筆者のプロフィールやルクセンブルクについては、こちらをご覧ください)

 

1. バイリンガルのアタマの中ってどういう状況?

まずは、こちらの動画(1分程度)をご覧ください。

【バカンスでのできごと】について、ドイツ語、日本語、フランス語、ルクセンブルク語で発表しています。(音声にご注意ください)

 

あなたはこの動画を見て、どのように感じましたか?
私にはこのように4ヶ国語を使い分けることは難しいのですが、この動画を何回も見て編集しながら、とても興味深いなと感じました。

この動画から改めてわかることが、2つあります。

それは、バイリンガルなど、複数言語を使う人のアタマの中では、

1. 言語間での翻訳がない

2. 言葉を使うときに基盤になるのは、本人のもつ概念である

ということです。

 

順番に説明していく前に、動画の背景について、少し補足をします。

この動画は、当時8歳だった娘が、各言語2分くらいで行ったプレゼンを、全部で1分程度にまとめたものです。

もともとは、海外バイリンガル向け日本語表現講座の中で、「バカンスでのできごと」について、日本語で書き出し、発表したものでした。
家に帰ってきてから、ふと他の3ヶ国語でもやったらどうなるかと思って提案したところ、普段は人前で何かをすることが恥ずかしいという娘ですが、本人もおもしろがって挑戦してくれました。

現地校での学習言語は、ドイツ語、フランス語、ルクセンブルク語の3つですが、普段、家庭内では日本語とドイツ語が主要の言語なので、ルクセンブルク語やフランス語で話している様子を聞くのは、とても新鮮でした。

(娘のように、バイリンガルどころか、何ヶ国語も使い分ける子供が珍しくないルクセンブルクは、改めておもしろい国だなと思います…)

では、ここからは、動画で見られた、バイリンガルの特徴と考えられる点について、お伝えします。

 

1. 言語間での翻訳がない

動画の中で子供が話している時、言語によって、話し方が少しずつ違うことにお気づきでしょうか?

私は、それぞれのちょっとした話し方の違いが、言語の特徴や文化的背景をよく反映していると感じました。

例えば、ドイツ語はカチッとした感じ、フランス語はちょっとすました感じ(笑)という違いや、
途中で挟まれるアドリブのコメント、身振り手振りなど、
頭の中で台本を翻訳していたら決して出てこないだろう姿が、見られました。

同じ子供が、全く同じ内容を話しているのに、言語によって、何となく違う人が話しているような印象を受けませんか?

 

2. 言葉を使うときに基盤になるのは、本人のもつ概念である

台本がないのに、壁に貼られた用紙を見ながらいろいろな言語で説明できるのは、本人の中に「概念」があるからです。

例えば、下の写真は何でしょう。

日本語でいうなら「本」ですね。

動画の中にも「本」についての項目が出てきます。
子供には「本」というものが「紙に文章が印刷されて、束ねてあるもの」という概念がすでにあるので、それを

日本語では「本」
ドイツ語では「ein Buch」
フランス語では「un livre」
ルクセンブルク語では「e Buch」

と使って話しています。

もう一つ、例を出しましょう。下の写真は何をしていますか。

日本語でいうなら「食べて」いますね。

動画の中にも「食べる」ということについて出てきます。

子供には「食べる」ということが「口の中に固形物を入れること」という概念がすでにあるので、そのことを

日本語では「食べる」
ドイツ語では「essen」
フランス語では「manger」
ルクセンブルク語では「iessen」

と使って話しています。

つまり「1.言語間での翻訳がない」でお話しした通り、和文独訳・和文仏訳のような

”日本語で「本」はドイツ語で「ein Buch」だから…” とか
”日本語で「食べる」はフランス語で「manger」だから…” という変換が起こっているのではなく、

これらのイメージ

概念から言葉を導き出している、ということです。

つまり、「本」「食べる」という言葉の意味を知っている子供は、
フランス語でも、ドイツ語でも、英語でも、中国語でも、新しい言葉であっても、
「それが何を表すか」を理解するのは早いのです。

以前「二言語共有説」についてお話ししましたが、今回のように4ヶ国語を使っている場合は、どちらかというと、それぞれの言語の部屋があって、お互いの言語の部屋を行き来するのではなく、
「わたし」という概念とそれぞれの言語の部屋を、直接道で繋いでいる
というイメージでしょうか。
(「二言語共有説」については、記事の最後でご紹介しています)

 


以上を踏まえて、もう一度動画をご覧ください。

最初とは別の見方ができて、なかなかおもしろいですよ。

 

2. バイリンガルとプレゼンスキルの効果

次に、バイリンガルとプレゼンスキルの効果についてお話しします。

この子供は、普段日本語でしかプレゼンをする機会がほとんどありません。
では、なぜそれ以外の言語でも苦労なくできたのでしょうか?

それは「プレゼン=人前で発表する練習」をしたか、しないか、だけによるからです。

先ほど「2.言葉を使うときに基盤になるのは、本人のもつ概念である」のところでもお話ししましたが、プレゼンで必要なスキルは、概念と同じく「どんな言語にも共通するスキル」です。
一度身につければ、日本語でも、ドイツ語でも、フランス語でも、有効です。

ですから、バイリンガルの子供にとって、プレゼンは「バイリンガルの良さを最大限発揮できる、最強スキル」と言えます。

では、プレゼンができるようにするために、大切なことはなんでしょうか。

プレゼンができるようになるためには、もちろんスキルが大切ですが、スキルだけでなく、練習の場と回数が必要です。
何度も繰り返し行うことによって、人前で発表するときの姿勢や、言い回し・言葉の使い方、相手への意識の向け方などが身につくようになります。

文字の読み書きももちろん大切ですが、「人前で発表できた!」という感覚は、子供たちの言葉に対する大きな自信につながります

今実施している【思考を深める】という講座でも、「読み書きは苦手だな〜」と思っているお子さんが、保護者の方の前で堂々と発表している姿は、とても頼もしく見えます。


(保護者の承諾のもと、お写真を掲載しております)

例えば「〇〇が欲しい!」とお子さんに言われた時など、欲しい理由などを話す簡単なプレゼンの機会を、あなたもお子さんに提案してみては、いかがでしょうか?

 

3. バイリンガルの子供の状況を、親が理解するのに最適な方法は?

最後に、親の私たちが、バイリンガルの子供の状況を理解する最適な方法についてお話しします。

ズバリ、「子供と同じ状況に自分を置く」、
つまりイリンガル」というのも感覚の一種なので、親も体感するしかありません

そのためには、親も外国語を学んで、自分の頭の中に、日本語に頼らずに〇〇語を自由に操れる「〇〇語の部屋」を置けるようになるしかないのです。

…… どうでしょうか? なかなかハードルは高いですね。
現地にいれば、言語習得は早いかもしれませんが、数日でどうにかなる話ではありません。

子供は、大人より言語習得がしやすいといいますが、それでもやっぱり、バイリンガルの子供たちにも、言語を習得するための見えないストレスは、かかっています

大人はついつい「子供なんだから、言葉の習得は簡単にできるでしょ?」と思ってしまいますが、バイリンガルとはいっても、その子供によって、得意な言葉、苦手な言葉もあります。

バイリンガル子育てでは「当たり前のように毎日複数言語に触れる環境」「じっくり年月をかけて取り組む姿勢」が大切であることを、改めて知るとともに、
それだけ高度なことをやってのける子供たちに、心から拍手を送りたいです。

あなたも、身近なバイリンガルの子供たちに、その子がやっていることがどんなに素晴らしくて、その子が貴重な存在であるか、ぜひ伝えてあげてください。

 

まとめ

それでは、ここまでの内容を4つにまとめてみましょう。

◆ バイリンガルの子供が話している様子からわかることは「言語間での翻訳がない」「言葉を使うときに基盤になるのは、本人のもつ概念である」

◆ バイリンガルの子供にとって、プレゼンは「バイリンガルの良さを最大限発揮できる、最強スキル」

◆ バイリンガル子育てでは「当たり前のように毎日複数言語に触れる環境」じっくり年月をかけて取り組む姿勢」が重要

◆ バイリンガルの子供たちへ「どんなに素晴らしくて貴重な存在であるか」伝えよう

 

いかがでしたか?

今回は、普段なかなかわからない「バイリンガルのアタマの中がどうなっているのか」について、プレゼン動画から検証してみました。

親としては、改めて娘の得意な言葉、苦手な言葉がわかり、またそれについて親子で話し合うことができた貴重な機会となりました。
そして、この動画が本人の自信にもつながったようで、とても気に入ってくれました。

子供の成長過程の記録として、この動画は大切に残しつつ、今後も同じような撮影をやってみたいと思っています。

また、「二言語共有説」ってなんだろう?と思われた方は、「子供をバイリンガルにしたい!これが基本のキ!」の記事もご覧ください。
バイリンガル教育の「そもそも論」を知ることができますよ。

子供をバイリンガルにしたい!これが基本のキ!

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スピーチキッズ育成コーチ 田中 響子

スピーチキッズ育成コーチ 田中 響子

「引っ込み思案・恥ずかしがり屋・人見知り」など
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\世界5カ国で2,500人以上の子どもの表現力を伸ばしてきた
元有名校教員が教える/

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