あなたは、夏休みなどの長期休暇中、「子供と向き合って話す機会」を定期的に作っていますか?
長いお休みだと、良くも悪くも、いつもの日常とは切り離されますよね。
普段、子供にとって1日の大部分を過ごす学校は、小さな社会。
お友達関係、勉強の悩みなど、子供は子供で日々いろいろな刺激に触れています。
その中で、子供はなかなか口にしないけれど、実は「うまくいかないな…」「イヤだけど、どうしたらいいんだろう…」って困っていたり、悩んでいたりすることがあるかもしれません。
今回は、夏休みなどの長期休暇で、学校と少し離れた機会を利用して、“親子で子供の悩みや課題を引き出し、子供が安心して「新学期の壁」を越える方法”についてお伝えします。
子供は、時間がまとまって取れる長期休暇中よりも、長期休暇が終わって、新学期が始まる前後が一番不安定になりやすい。
親子ともに「新学期の壁」を越えられるように、ぜひ最後まで読んで、活用していただけたらうれしいです!
(筆者のプロフィールなどについては、こちらをご覧ください)
◆「新学期の壁」とは?
長期休暇中は、親子ともにいろいろ課題がありますよね。
子供は、規則正しい生活が崩れ、家にこもりがちになったり、ゲームやSNSなど、学校に行っている間には離れている世界と密接につながる。
親自身も仕事が通常営業であると、長期休暇中の方が日中の子供の過ごし方に、つい注意が払われなくなったりしますよね。
でも、この長期休暇中に、子供が日々学校でぶつかっているであろう課題に、親子で触れることはとても大切。
長期休暇中に、子供の悩みを洗い出して課題をクリアにすることは、休暇が終わった後に子供がスムーズに学校生活を再開できるかどうか、大きな分かれ目になります。
子供の悩みを洗い出すのが最も難しいパターンは、子供自身も問題に気づいていないことが多いこと。
大人のように、ある程度「ここが問題ではないか」と、なんとなくでも狙いが定めれば話は早いのですが、子供は「問題がどこにあるのか」どころか、問題意識自体がなかったりします。
そして、中には、子供自身は何か問題を抱えてそうな雰囲気なのに、親にはなかなか話してくれないことも。
いずれにしても、問題を「子供の外=表面化」することが、とても大切。
その証拠に、社会生活に戻るのがイヤになって、長期休暇明けに登校を渋るようになったり、子供自ら自分の人生を終わらせてしまうような、本当に痛ましいケースも後を絶ちません。
では、子供に問題意識を持たせたり、そこから親子で解決の糸口を探るためには、どうすればいいのでしょうか?
◆ 親子で学校や友達関係について無理なく話し合う方法
夏休みなどの長期休暇中に、親はぜひ子供と積極的に話したいと思っても、子供の方は気持ちが乗らないことも、よくありますよね。
子供から無理に聞き出そうものなら、子供に嫌がられるだけでなく、それ以降の親子関係にも大きくヒビが入ってしまったりします。
かつて中高女子校の教諭をしていた時、生徒面談や保護者面談などで、別々にお話を聞くことも多くありましたが、親子のお互いの想いが、空中で飛行機が交差するように、すれ違ってしまってとても残念だな、と感じることがよくありました。
特に、その後に、生徒・保護者と私で三者面談をすると、それぞれの本音を知っているからこそ、関係構築の大切さと難しさを痛感していました。
能登半島上空
原因の一つとして「親子の適性キョリ」がわかっていないから、だと思います。
親と子は遺伝子的に関係が近いため、特に親は子供のことを「すべてわかった気」でいますが、別の人間である以上、似ていないところも意外に多かったり。
関係が近ければ近いほど「親子の適性キョリ」がわからなくて、うまく距離感がつかめずに悩むことも多いのではないかと思います。
その問題を解決するために有効なのが、私が提唱している「親子1on1」です。
詳細は、別の記事でガッツリご紹介していますので、ここでは簡単にご紹介します。
「親子1on1」とは、企業内で上司が部下の悩み相談に乗ったり、自主性を引き出して自立した部下へと育てる「1on1」というコミュニケーションスキルに、子育て特有の視点を加えて「上司と部下」を「親と子」に置き換えて行うミーティングのことです。
ミーティングというと、ちょっと大変そうに聞こえるかもしれませんが、1回たった15分。
実施の長さよりも、頻度を重視します。
実際やるにも、手順はとっても簡単♪
親子1on1・基本の流れ
(1) 親子で話し合って、15分間の予定で、実施日時をお互いに予約する
(2) 挨拶の後、親子で話す「今日のテーマ」を決める
(3)「子供が積極的に話したくなる雰囲気」を作る
(4) 親がしっかり子供の話を聴いて、深堀りする
(5) 親子で気づきを共有して「今日のテーマ」をまとめる
親子1on1の中で、特にメインになることは、子供の話をしっかり聴きながら、相手の考えていることを深堀りしていくことです。
それによって、会話や理解が深まっていくのですが、子供が普段からこういう会話に慣れていないと、最初の頃は親が思うほど、子供から話してくれないかも。
また、子供の語彙が少ないことが原因で、「うまく話せないな」と思ってしまい、話すことをためらう子供もいるかもしれません。
でも、大丈夫!
大切なのは「どんな話でも聴くからね」という親のメッセージを、子供に態度で伝えること。
初回だけで180度変わらないのは当たり前なので、何回か続けていくうちに、親も子もお互い慣れて、ストレスなく話せるようになりますよ。
一番気をつけることは、先ほども出てきた「親子の適性キョリ」。
「忙しい親子が、お互いに時間を作って、約束して行うミーティング」、つまり、親子であっても職場の同僚と同じように「個対個」の付き合いである、ということを、忘れないでください。
それを忘れなければ、自ずと「親子の適性キョリ」や相手をどう扱ったらいいのか、も見えてくるはず。
親子1on1のコツや「親子1on1について、もっと知りたい!」と思ったら、ぜひ一番最後をご覧ください。
◆ 夏休み中ゼッタイ子供に聞いてほしい!「子供を守るたった1つの質問」
夏休み中や長期休暇中の親子1on1では、意識的に学校の話、お友達の話を、ぜひ話題にしてみてください。
もし、学校もお友達も楽しいと思えば、子供もどんどん話してくれるので、話も広がりますね!
でも、学校の話もお友達の話も、子供が話題にすることを渋ったら、どこかで気になっていることがあるのかもしれません。
もしそうだとしても、親が子供に無理に聞き出すことはせず、本人が自分から話すようになるまで、待ちましょう。
その代わり、ゼッタイに子供に聞いてほしい質問があります。
これを聞けば、今子供が悩んでいるかどうかがわかるので、結果的に子供を守ってあげることができるからです。
それは、
「じゃあ、今のままで大丈夫?」
ということ。
そしてこの質問をする時、子供のリアクションを見逃さないように、必ず子供の表情をよく見てください!
もしかしたら、口では大丈夫と言っていても、言いにくくて隠しているかもしれないし、どこかで親に「言いにくいこと」を気づいてほしいと思っているかもしれません。
そして「今のままで大丈夫?」と聞かれた時は、子供の方でも「今のままでもいっかと思った」けれど、後々この質問が引っかかって「やっぱり…」と気づくこともあるかもしれません。
大切なのは、子供にその場で問題を話させることではなく、問題がないかどうか、本人に意識させること。
何にもないと思っていたけれど、このままでいいかと言われれば、それも違う気もする、モヤモヤする。
そう思ったら、すでに一歩踏み出したことになります。
そして、その後必ずやってほしいことは、「子供がなんだか話しにくそうにしている、やけに親の周りをうろつく」とか「実は…」と子供が言い出したときに、「ちゃんと子供と向かい合って、話を聴いてあげて!」ということ。
子供からの反応が来るのは、親子1on1で「今のままで大丈夫?」と聞いた数分後かもしれないし、数日後、数ヶ月後かもしれない。
子供によって、すぐリアクションできる子供もいれば、「親が忙しいだろうな」と思うなど、なかなかリアクションできない子供もいます。
でも、親でこそ気づく、親でないとわからない、その子のサインがあると思いますので、決して見逃さないようにしてくださいね。
◆ まとめ
それでは、ここまでの内容をまとめてみましょう。
「親子で夏休みに話し合う!」のポイントはこちら!
親子で子供の悩みや課題を引き出し、子供が安心して「新学期の壁」を越える方法
◆「新学期の壁」とは?
・長期休暇中に子供の問題を「子供の外=表面化」させる
◆ 親子で学校や友達関係について無理なく話し合う方法
・「親子の適性キョリ」を大切にする
・「親子1on1・5ステップ」で話し合う
◆ 夏休み中ゼッタイ子供に聞いてほしい!「子供を守るたった1つの質問」
・意識的に学校の話、友達の話をする
・「今のままで大丈夫?」子供のリアクションを見逃さない
いかがでしたか?
夏休みは、つい学校の宿題や習い事など、目にみえる課題にばかり注力しがちですが、目に見えないものの方が、子供を取り巻いていたり、比重が重いこともよくあります。
親子1on1で、ぜひ親子の絆をさらに強力なものにして、新学期をベストな状態で迎えてくださいね。
「親子1on1って何?」と思われた方は、こちらの記事でガッツリ解説していますので、ぜひ読んでください!
また「親子1on1のコツについて知りたいな」と思った方は、こちらの記事をオススメします!
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
もし、「子供とうまく話ができそうにない」「もっと詳しく話を聞きたい」「私の話もちょっと話を聞いてほしい」というママやパパは、ぜひ「親子間コミュ力UP!相談会」にご参加ください。
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「現代の親子は、とにかく忙しい!でも、時間がなくても、関係性が希薄にならない方法が絶対あるはず!」
そんな想いから、親子1on1は生まれました。
親子の関係が家族関係全体を良くして、やがては「言いたいことが言えない」ことがなくなり、世の中の人間関係すべてを変えると信じて活動しています。
少しでもお役に立てましたら幸いです。