あなたは「自分の子供に、親である自分には思うことを自由に話してほしい!」と思っていますか?
「子供が何を考えているのか、まったくわからない」「子供がなかなか本音を聞かせてくれない」「親が心配していても、子供が本当の気持ちを聞かせてくれない」ということで、悩んでいる親御さんもいらっしゃるかもしれません。
そんな時、私は子供に、思っていることを言葉で自由に表現してもらうために「親子1on1」という親子間でのコミュニケーションスキルをお勧めしていますが、親子1on1では「子供が安心して『親に何を言っても大丈夫!』と感じること」を一番大切にしています。
(「親子1on1って何?」と思った方は、この記事の一番最後をご覧ください)
でもわかっていても、子供に言葉ではなかなか伝えにくかったり、子供にわかってもらえないな、と感じたりすることがないでしょうか?
今回は「親子で理解し合うために欠かせない!子供が安心して親に本音を打ち明ける!3つの重要ポイント」について、お伝えします。
この考え方は、親子だけでなく、大人同士のお友達や職場でも使えますので、ぜひ最後まで読んで、活用していただけたらうれしいです!
(筆者のプロフィールなどについては、こちらをご覧ください)
◆ 子供が安心して親に本音を打ち明ける重要ポイント
それでは「子供が安心して親に本音を打ち明ける重要ポイント」とは何でしょうか?
ここでは、特に重要なこと3つにしぼって、お話しします。
1. 興味を持つ
2. 発言を否定しない
3. 具体的な質問をする
それぞれの項目を、順番に説明していきます。
1. 興味を持つ
あなたは子供と話すときに、どんな気持ちで、どんなことを考えながら聞いていますか?
「ウチの子は、きっとこんなことを言いたいのだろう」と思いながら、子供の話を聞いていることはありませんか?
「自分の子供のことは、親である自分が一番よく知っている」と思う方が多いと思います。子供を自分の手で小さい時から育てていれば、そう思うのも当然ですよね。
でも、子供は日々成長しているので、大人以上に「昨日と同じ状態」ということはありません。
そのため、先入観を持って子供の話を聞いていると、子供の日々の変化に気づかなかったり、親がまだ知らない子供の一面に気づくことができていなくて、もったいないことをしている可能性もあります。
また、子供の話を深く知る前に、親の過去の経験値から「似ているであろうこと」を探し出して当てはめてしまうと、知らず知らずのうちに、一生懸命話そうとしている子供の心を傷つけているかもしれません。
人は、人間に対しても、事柄に対しても「意外だ」と思うからおもしろい。
でも、親が子供の話そうとしていることを「知っている」「わかっている」と思った瞬間、子供の話に興味を持とうという気持ちも減ってしまい、自分が思っている以上に子供の話が入ってこなくなってしまうのです。
では、親はどんな気持ちで、子供の話を聞いたらいいのでしょうか?
それは「『今から子供が話すことは、絶対におもしろい、親の自分にとっても、この子に対して新しい発見がある』と信じて聴く」ということです。
子供は、親がそう思ってくれていると感じると、自然にどんどん話してくれるようになります。
親子に限らず、大人同士が相手の話を聞くときにも、常に先入観があったら「これから聞く世の中の話のおもしろさ」は、すべて半減しちゃいますね!
よかったら、ご自身の日頃の「聴く態度」を見返してみてくださいね。
2. 発言を否定しない
子供に「ママやパパには何を話しても大丈夫!」と思ってもらうために、一番大切なことは何だと思いますか?
それは「自分の言うことが否定されない」と感じられることです。
「否定されない」というのは、「何を話しても、正解・不正解の考え方は横に置いて、自由な発想を容認してくれる」「何を話しても、常識・非常識で内容をジャッジされたり、怒られたりすることがない」ということ。
もし、話してくれた内容に「ちょっとそれは良くない」と思う場合は、「話した内容」と「”親に話してくれた”という事実」を切り離して考えます。
これは子供だけに限りませんが、人には「自分のことを受け入れてほしい」という自己承認欲求があります。
だから、自分が話したいことを自由に話させてくれる人に「自分のことをもっと話したい」と思ったり、「その人のそばにいたい」と思ったりしますよね。
「自分が受け入れられている、承認されている」と感じることで、大人も子供も自己肯定感が上がるので、親子1on1の中でも特に大切にしている部分です。
子供が現実離れしたことを話している時、「そんなことはありえないよ」と言ってしまっていることはありませんか?
「自分のことを否定されない」という安心感を心底感じられる場所は、意外と少ないのではないかと思います。
実は「否定しない」というのは、簡単なようで結構難しいこと。
頻繁に会っている人だと、その人の好きなもの、嫌いなもの、性格、大切にしているものなど、だいたいわかっていると思っていますよね。
おそらく、ご自身のお子さんにも同じことを感じていると思います。
だから、例えば外でどなたかにお会いにしたときに「ウチの子は人見知りだから」「ウチの子はオレンジジュースが好きだから」と言いたくなったりすることは、よくあることですね。
でも「ウチの子は〇〇だから」と親が子供の代わりに発言してしまうのは、子供のために本当にいいのことなのだろうかと思うのです。
子供に固定概念を持って接してしまうと、子供自身も「自分はそうなんだ」と思ってしまい、親が子供にレッテルを貼ることになってしまったり、子供の新しい発想がそれ以上広がらなくなってしまったりする。
何より、子供自身が外で自分のことを話すチャンスなのに、親が代わりに話してしまうことは、大げさに言えば、子供が社会に対して「わたしはこう思っているの!」という自己アピールの機会を親が奪ってしまっているようで、「なんともったいない!」と感じてしまうのです。
「子供には自由に考えて、積極的に自立できるようにして欲しい」と思いながら、実は親自身が、子供の発想や行動の制限を設けてしまっているかもしれません。
子供が「自分が言うことによって、親が自分をジャッジしないな」と感じた時、子供が少しずつ心を開いて、本音を聞かせてくれるようになって、親の知らない子供の新しい一面に気づくことができるのです。
親が子供に対して固定概念を取り除き、毎回新しい気持ちで、子供の新しい顔を発見しようという気持ちで親子の会話に臨むことは、ほんのわずかな心がけなのですが、親の視野が何倍にも広がります。
そして、外からは決してわからなかった子供の内面に触れる、貴重な機会になりますよ。
3. 具体的な質問をする
あなたは日頃、子供の話を聞きながら、どうやって会話を膨らませていますか?
ただ「へーぇ」で終わらせないで、「それでどうしたの?」など、いろいろ質問をしていくのが一般的かと思います。
でも、ちょっと思い返していただきたいのです。
子供に質問をする時、無意識のうちに、子供の話を親のゴールに導こうとコントロールしていませんか?
つい急いでいたり、忙しかったりすると、子供の話のオチ(?)が見えた時点で、話を切り上げようとして、先入観で話してしまうこともあるかもしれません。
「1. 興味を持つ」のところでもお伝えしましたが、子供の話に興味を持って聞いたら、親が純粋に疑問に思ったことを、具体的に子供に聞いてみてください。
その時に気をつけることは、「話の結論ありき」で子供に質問しないこと。
最初は純粋に疑問を持ったはずなのに、気づいたらゴールありきで誘導尋問になっているパターン、ありませんか?(笑)
子供に、親が望む結論を言わせたくて質問をしている時は、大抵尋問になっています。
よくあるのが、現場を見ていない兄弟ゲンカなど、大人として状況を想像して話したり、大人の常識で話すとき。よく誘導尋問や「答えありき」で話が進んだりします。
「それでどうしたの?」「なんでそんなことになったの?」「どうして〇〇できなかったの?!」
子供の話を聞いているうちに、親の質問の語気もだんだん荒くなってくる(笑)。(あるあるー!(笑))
子供に質問をするときは、親が純粋に疑問を持つことや、「こうやって言わせたい!」とか「答えを引き出したい!」と思って質問していないか、ちょっと客観的に意識してみてください。
話のゴールが決まっていると、話を聞いても聞かなくても行き着く場所が同じだから、話す子供も聞く大人も、どっちにとってもつまらなくなりますよね(笑)。
◆ まとめ
それでは、ここまでの内容をまとめてみましょう。
「親子で理解し合うために欠かせない!」、今回のお話のポイントはこちら!
子供が安心して親に本音を打ち明ける!3つの重要ポイント
1. 興味を持つ
・先入観を持たないで子供と話す
・親の聴く態度によって子供の心を傷つけている場合も
・子供が話すことは新しい発見があると信じて聴く
2. 発言を否定しない
・「話た内容」と「”親に話してくれた”という事実」は切り離す
・自分が受け入れられていると感じると自己肯定感が上がる
・固定概念を取り除くと視野が何倍にも広がる
3. 具体的な質問をする
・子供の話を親のゴールに導こうとしない
・親が純粋に疑問を持って、子供に質問する
・答えありきで話していないか客観的に見る
いかがでしたか?
忙しい時に子供がダラダラと話しているときは、つい「だから何なのっ!」って言いたくなることもありますよね(笑)。
でも、子供は日々そうやって、親を相手に話し方の練習をしているのです。
ちなみに、親子1on1は、今回お話ししたポイントをすべて含みながら、間接的に子供のスピーチ練習の基礎練の場にもなっていますので、ぜひお家でやってみてください。
「親子1on1って何?」と思われた方は、こちらの記事でガッツリ解説していますので、ぜひ読んでくださいね!
また「子供に固定概念を持つことに違和感を覚えた話」について、「ワタシ個人はどう考える?」について書いた記事がありますので、もしよかったら、こちらも読んでいただけましたらとってもうれしいです!
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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